2017年12月

東京五輪マスコットは全国の小学生が投票!

北辻利寿

2017年12月 4日

【CBCテレビ イッポウ金曜論説室】


2020年の東京オリンピック・パラリンピックの大会マスコット、どうやって決まるのかご存知ですか?実は全国の小学生たちの投票によって決まるのです。


大会組織委員会では、2017年8月にマスコットデザインを全国から募集しました。

1998年の長野での冬季大会の時は「スノーレッツ」と名づけられたフクロが大会マスコットでしたが、今から53年前の1964年の東京オリンピックでは大会マスコットという存在がありませんでした。
このため、夏季大会としては日本で初のマスコットになります。
全国から2042件の応募があり、12月7日にこの中から選ばれた3作品が発表されます。そして、この後の最終審査を行なうのが、実は全国の小学生たちなのです。

 


大会マスコットは「選手や訪問客を歓迎し、大会を盛り上げ、その価値を伝え、日本の文化や魅力を紹介する重要な役割」と組織委員会は位置づけていますが、そこでの主役は将来を担う子どもたちだと話しています。

このため、マスコット選考にも、その思いを反映させました。
それが、全国の小学生たちによる最終投票でマスコット決めるという選考スタイルとなりました。
すでに全国2万1000を超える全国の小学校には、組織委員会から投票への参加登録用のはがきが届いています。
投票はクラス単位で行なわれ、組織委員会によりますと、その数は全国で28万クラス、すなわち投票総数は28万票ということになります。


投票には小学校ごとに参加登録が必要です。参加を希望する学校は届いた選考はがきに記載されているIDとパスワードによって、インターネットで登録します。

そして最終候補3件の中から、最も大会マスコットとして相応しい1件をクラスごとに選んで投票します。
投票期間は12月11日(月)から来年2月22日(木)で、登録さえすれば、この間はいつでも投票することができます。

オリンピック・パラリンピックの大会マスコットを小学生の投票で決めるのは"世界初"の試みということです。

大会組織委員会では「マスコットは皆のためのもの。子どもたちの身近な存在として位置づけてほしい」と、投票への積極的な参加を呼びかけています。
最終結果の発表は来年2月28日に決まりました。さて、どんな大会マスコットが子どもたちによって選ばれるのか、楽しみですね。

東京オリンピックは2020年7月24日から8月9日、パラリンピックは8月25日から9月6日の日程でそれぞれ開催されます。

【イッポウ「金曜論説室」より  by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

インスタ映え ~新語・流行語&和製英語から見えるニッポン

石塚元章

2017年12月 1日

画像:足成

新語・流行語大賞を選ぶ季節がやってきました。少し前にノミネート30語というのが発表されますが、そのころから「今年はアレでしょ」「最近の流行語の傾向は...」なんていう話題も巷(ちまた)で飛び交うようになってきます。
で、個人的には今年、「インスタ映え」に一票です。

「インスタ映え」。これ、"流行語"であると同時に、まぎれもなく"新語"ですよね。同じノミネートには「忖度(そんたく)」などというのも入っていて、確かにやたらと使われたのですが、どう考えても"新語"ではありません。普通の生活をしてきた日本人はあまり使わなかった...というだけでしょう。

「インスタ映え」のすごいところは、まず「インスタグラム」という写真共有アプリの名前を短縮した上で、「映える」という紛れもない日本語の、しかもなかなかに含蓄のあるワードを合体させているところ。そしてなにより、「写真で撮影したら、さぞかし綺麗だろうな」という一般的な表現・形容の言葉として新たな立ち位置が確立されてきたところでしょう。
実際にインスタグラムで撮影するわけではなくとも、「この景色って、インスタ映えするよね」なんて使ったりしますよね。

実は日本語って、ずっとそうやって集積されてきた言葉です。よく"和製英語"などとも言われますが、それだっていくつかの種類に整理できます。
(1)勝手に縮めた   エアコン、セクハラ、デパート など。
(2)勝手につなげた  アフターサービス、ガードマン、テーブルスピーチ など。
(3)意味が違います  スマート、バイク、ボディチェック など。
(4)英語じゃありませんけど アルバイト、ピンセット、コンビナート など。

これを嘆かわしい...などと思う必要はありません。
日本人はそもそも中国経由で、その後もポルトガルやオランダなどから、さまざまな言葉を手にいれてきました。
とりわけ江戸時代末から明治にかけて、日本では多くの"和製英語"ならぬ"和製漢語"が誕生しました。「え?和製漢語って何」という向きもあるかもしれませんが、たとえば「社会」「個人」「哲学」「理性」「演説」「自由」...まだまだあります。つまり、「海外の文化・情報がどんどん入ってくるようになったけれど、それを表現する適当な日本語がない(汗)」となった時、多くの知識人が、漢文・漢語の素養を生かして、"新語"を次々と生み出してきたのです。西周、福沢諭吉、夏目漱石...。

やがて日本人は、日本語と、和製漢語と、あるいは外国語同士をどんどん"合体"させる力量を発揮し、さらにさらに新たな言葉を生み出していきます。
「えびフライ」「ヘアサロン」「アイドル歌手」「商社マン」「家庭サービス」...。

「インスタ映え」が、ただの流行語ではない...ということがおわかりいただけますか。しかも、「インスタグラム」というアプリがアメリカで開発され、一般に利用できるようになったのは2010年10月のこと。まだ、たった7年しか経っていません。おそるべし、日本人...です。さらに、「インスタ映え」するポイントを探して「写真を撮りに出かける」という新たな文化(?)すら生まれたではありませんか。
良い悪いではなく、文化的・時代的な背景、生活における使用頻度や定着感などをさまざま考慮すると、やっぱり、今年の新語・流行語は、「インスタ映え」しかない...と思うのです。
え?「そういうあなたはインスタグラムやっているのか?」って。いいえ、おじさんはやっていませんが、それが何か?

【ニュースなキーワード インスタ映え】
▼スマートフォンなどで、写真・画像を共有できるサービス「インスタグラム」にふさわしい景色・商品・現象などを形容するワードとして誕生。次第に「写真に撮ると綺麗」を表現する普遍性すら獲得。▼「インスタグラム」そのものは、2010年にアメリカのベンチャー企業が開発しアプリを公開。写真の加工・編集機能も売り。その後、あのFacebookが買収。▼2017年、日本ではインスタグラムで共有するとおしゃれ...を売り物にするビジネスも盛んに。夏には、「泳ぐつもりはないけど、とりあえずプールサイドで写真を撮ってインスタに...」なんていう若い女性を目当てにした「ナイトプール」も流行した。